対談
「真里で働く」

社長 眞渡康之と
勤続15年のマネージャー中野菜見が
見つめる真里のヒトとシゴト

素直で、前向きで、勉強熱心
“好き”の先にある「成長」と「やりがい」

PROFILE

マネージャー
中野菜見

新卒で島へ移住し、勤続15年。
お客様への接遇、社外への広報を通じ、真里の心を「伝える」のが主な仕事。 マネージャーとして、社長とスタッフ双方の想いを繋いで支えるのも役目。

社長
眞渡康之

母が始めた民宿を受け継ぎ、仕出屋を経て旅館へと成長させた。 三方良しの精神で、お客様だけでなく、関わる人が皆幸せになれるような、日本一の宿を目指して邁進している。

TALK
01

求める人物像と真里のイズム

中野

社長は、真里にどんな人材を求めていますか?

社長

まずなにより、僕らの大切な理念である「真里イズム」を理解しようとしてくれる人。素直で、前向きで、勉強熱心さがあれば。あと、周りが言うには…僕の抱く夢や信念、目標に共感できるかどうか。

中野

それは大事ですね。真里では、お料理を出すのもお部屋を整えるのも、単純作業ではないから。それら一つ一つを通して「島の魅力を伝えること」こそが、真里の仕事です。玄関に水を打つ。お出迎えに走り出る。お電話でご予約を受ける。お着きのお菓子を作る。タオルを丁寧に畳む。…「伝える」ためにやれることは沢山あって、業務全てがそのための手段や表現の一つ。

社長

真里は、一つひとつの背景が分厚い。食材のつくり手さんとも、何年もかけて真剣に向き合い、寄り添いながら一つの食材を追究していく。どんな人がどんな想いでつくっているか、できるだけ足を運び、自分の目で見ることを大事にしている。

中野

想いのリレーですよね。私たちはそのアンカーとして、沢山の人の想いの載ったずっしりと重いバトンを預かり、お客様に届けます。限られた接遇時間では伝えきれないほどの「ものがたり」が真里にはあって、お客様がどこに興味の矛先を向けても、胸を張ってお話しできます。素材の背景を、「知れてよかった」「聞けたからこそ美味しく感じた」と思ってもらえるように、生きた言葉で伝えることが大切。

社長

本館「島宿真里」も、別邸「海音真里」も、想いを形にするまで、何年も意見を交わしに交わした。早く形にしたいという気持ちも強かったけど、「もっといいものがあるのでは?」という想いが勝ってしまって。それは真里の細部一つひとつに言えることで、それだけにお越しになるお客様への想いも強い。そのため客室は少なく。多すぎると、一人ひとりのお客様と丁寧に向き合うことはできないから。

中野

自ずとお客様と深く正直に関わることができ、翌朝にはすっかり打ち解けた雰囲気になっていたり…そんな時間を紡いでいけることも醍醐味ですよね。

TALK
02

真里で必要なスキルとは

中野

真里では、経験は全く問いません。大事なのは心で、仕事のやり方は一から身に着けてもらえばいいという考え。…だけど、趣味や特技が高じて、個性を発揮して活躍しているスタッフもいますよね。今の真里に、求めるスキルは?

社長

そうやね。例えば今、料理をするスタッフも募集しているけど、経験は無くてもいい。「できる」ことよりも「好き」であることの方がよほど大事。「英語ができる(=好き)」「パソコン操作ができる(=好き)」…そんな逸材は、もっと居てほしいので大歓迎だけど。

中野

たしかに、「好きこそものの…」ですものね。今の自分に満足することも、卑下することもなく、純粋に自分の伸びしろを信じてチャレンジできる人。学びを楽しみ、自身の成長を喜べる人。昨日の自分をヒラリと超えていく人が強いですね。

社長

やっぱり、「素直で、前向きで、勉強熱心」な姿勢やね。実際、新人スタッフの評価が低いかというと、そんなことはない。スキルは未熟でも、謙虚に一生懸命お客様に寄り添えば、それは必ず伝わるものだから。

中野

「何でも楽しめる」というスキルが必要なんですね。

TALK
03

「やりたい」を実現する働き方

中野

私が長く続けてこられたのは、「やりたい」ことができる環境にあったことが大きいです。思ったことを何でも提案できて、何でもチャレンジさせてもらえた。「やりがい」はそこから生まれるように思うのですが、一人ひとりの「やりたい」を実現するには?

社長

「やりたい」をやるには、まずは基本的な業務を覚え、慣れることかな。そのうち、手際がよくなって、時間にも心にも余裕が出てきて、「これをやってみたい」が芽生え、「好き」「やりたい」が評価される機会が増える。最初から「やりたい」にチャレンジしようにも、全体の流れを把握しない限りは難しい。まずは与えられた目の前の業務を極めてから、その周りで気づくことやできることを提案するもよし、他の業務にチャレンジするもよし、一歩一歩進んでみたらどうかな?

中野

そうですね。宿の仕事は多岐に渡るから、必ず誰にでも個性が発揮できる持ち場が見つかるはずです。自分次第で、いろんな部門を経験できるのも、小さな宿ならではですね。

社長

まずは無理がなく小回りの利く「パート」という形からスタートして、宿という仕事に慣れながら、一人ひとりに合ったスタイルを、お互いに見極めていくのが良いのかな…と思っている。

TALK
04

多様なワークスタイル

中野

宿には、朝から晩までいろいろな仕事が詰まっています。勤務時間帯も業務内容も、一般的な企業とはちょっと違ってて、独特ですよね。

社長

だからこそ、働き方の幅があると思う。本業や家業に加え、「早朝に数時間だけ」とか、「18:00~もうひと頑張り」とか、そんなダブルワークもOK。真里のスタッフには、定年退職してからのセカンドキャリアで活躍してくれている人もいるし、自営業傍らの人も多いよね。その人に合ったワークスタイルを提案できる幅があるからかな。

中野

女性は特に、「結婚」「出産」「子育て」…と、ライフステージの変化に影響を受けやすいのですが、そのタイミングで離職を選ばざるを得ないのは本当に惜しいと思っていて。長く働きたいと望む女性が、好きな仕事、育んだ人間関係、慣れ親しんだ職場の中で、働き方や時間帯を柔軟に変えながら、長く活躍できたなら…それは、会社にとっても大きな財産ですから。

社長

そうやね。真里でもママさんが頑張ってくれてるけど、産休育休を経ても、パワーアップしてまた戻ってきてくれたら嬉しい。

中野

子育てとの両立で職場に迷惑をかけることを懸念して、働くことを躊躇する人も居るかもしれないけれど、心配無用です。母になった女性は、しなやかな強さに、思いやりや気配りが増して、おもてなしの質が一層高い。限られた時間でも濃密な仕事をして、子供が育って独立したら、また新しい働き方を見つけて…。そうやって、自分で築いた居場所を手放さない選択もあっていいと思います。ちょうど私が、長く続けるおもしろみを味わっているから、そう思うのだけれど。

社長

働くことが単に「生活の糧」にとどまらず、経験や感性・能力を磨いて自分を肥やし、人生を豊かにすることに繋がるといいね。

TALK
05

どんな会社で在りたいか

社長

真里では「人本経営」という考え方を導入していて、普通は「株主」や「お客様」が第一であるところ、それが逆。「働く人(とその家族)」が一番大切という考えで、自分自身もその軸を心に据えている。力づくで儲けたところで、人が離れていくのでは寂しい。だから働く人にとっても誇りに思えるような自慢の会社でありたいと思っているし、周りからも「ここで働きたい」と言われる会社でありたい。

中野

人本経営と聞くと、「会社(経営者側)がスタッフをよくしてくれるもの」という受け身なイメージになりがちですが、取り組んでみて思うのは、会社は「みんなでよくするもの」。会社がスタッフ一人ひとりに寄り添い、スタッフが会社に寄り添わなければ、きっと成り立たない。

社長

仕事後に、スタッフ同士が親しく楽しげに話していたり、今日の仕事を振り返って励まし合っているのが、壁越しに聞こえてくることもあって、いい雰囲気やなぁ…と思う。社内恋愛から結婚に発展し、産休・育休も経て職場復帰し、今では夫婦で働いてくれているスタッフもいたり。

中野

おばあちゃん(※社長のお母さん)の民宿から続く、アットホームな温かみはきっと、おもてなしにも滲み出ますね。

TALK
06

島暮らしについて

社長

移住を考える人の中には、「島暮らし」が不安な人も居るのかな?僕は生まれ育ちだから、そこらへんはわからないけど、実際住んでみてどうだった?

中野

私は島に移住して、知り合いも誰もいないところからだったけど、島出身の先輩や移住組の同僚がいて、女将さんがいて、近所のおっちゃんおばちゃんがいて、支えられました。いろいろ経験させてもらい、仕事の範囲がもうちょっと広がってくると、リピートしてくださるお客様や、出入りの業者さん、食材のつくり手さんとも繋がりができて…「真里で働く私」を知ってくれている人と、喜びを共有できるのが嬉しい。それは「友だち」というのとはちょっと違うけど、自分の居場所であると感じます。

社長

生活面では、不自由なことはない?

中野

ないですね。スーパーやコンビニ、病院・銀行・郵便局など、基本的なインフラは整っているし、街と同じようなショップや娯楽こそ無いけれど、今は何でも取り寄せで手に入る時代。むしろ、モノやコトが溢れていない分、自分にとって何が大切なのかが、はっきりする感覚はあります。景色や季節や匂いや手触り、それらを肌で感じる現場に身を置くこと…私にとっては、島に「無いもの」より「有るもの」の方がずっと価値が高くて。

社長

それを楽しめたら、島で暮らす意義があるよね。それは仕事にも繋がっていく。

中野

はい。自分の感覚と仕事が滑らかに繋がる感じが好きなんです。金木犀が香れば摘んでリキュールにし、オリーブの初搾りだと聞けば採油場に覗きに行く…昨日の私の休日の過ごし方です。自分が触れたこと感じたことを伝えて、それを喜んでもらえるなんて、おもしろい仕事ですよね。土着ではないからこその感覚かもしれませんが、お客様のおかげで、私も島を旅している気分です、15年暮らしても。

TALK
07

ご応募に際して

中野

私たちの仕事はどんな風か、こうやって社長と話してみましたけれど、ほんとキリがなくて…。読んでくださっている方に向けて、何かメッセージはありますか?

社長

何においてもそうだけど、関心を持ったら、次は行動に移すことで、また新しい扉が開けるもの。もし真里の仕事に興味がわいたら、まずは気軽に連絡してほしい。

中野

そうですね。実際に島に訪れてみて、宿に足を踏み入れて、直接お会いすることで、伝わることってあると思うので。決めるのはそれからでいい、むしろ大事なことだから納得いくまで確かめて。

社長

何日か職場体験してもらってもいいし、まずはオンラインでテレビ電話からでもいい。面接だって、一人ひとりに合ったスタイルで対応しますよ。いつでもお待ちしています。